日本財団 図書館


 

(2) 学ぶべき生命の機能
? 基本メカニズム
生体の情報活動はATPの加水分解エネルギーで駆動される。このATP合成のためのエネルギーは、電子伝達系から統合される。また合成の大部分はミトコンドリア内膜、葉緑体テラコイド膜、細菌形質膜のATP合成酵素がとり行っている。すなわち、電子伝達系において、最終反応であるシトクロム酸酵素によって生成した酸素を用いてNADHの水素を酸化して水をつくり、そのとき遊離する多量のエネルギーを用いて、ミトコンドリア内膜のATP酵素がADPとPiからATPを合成する。これが酸化的リン酸化の骨子である。

041-1.gif

図4−13 AT合成のメカニズム

? ATP合成酵素
ここでは、ATP合成酵素を例にとり、生物システムの特徴を考察する。
ATP合成酵素の構成は下図に示すようにF1部分とF0部分から成り立っている。

041-2.gif

図4−14 AT合成酵素の基本構造(香川,1986)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION